熱せん妄

上の子(男・4歳)が、先週金曜日の夕方から40度近い高熱が出たので、翌日病院に行きました。鼻水も咳きも出ていないので、インフルエンザの検査をしたところ、陰性とのこと。

唯一、お腹が痛いとは言っていたため、お腹の薬と解熱剤を処方してもらいました。

息子は単なる風邪でも高熱が出るタイプなので、今回も風邪だろうと高をくくっていたら、2日、3日、4日経っても一向に熱が下がらない。

加えて、就寝中に急に起き上がり、何もない壁に向かって指を差して、「早く早く!」とか、「水が入って来たから逃げて!」と叫んだり、目を見開いて笑い出したり。。。

こんなことは初めてだったので、正直びっくりしました。

なかなか熱が下がらないので、体力の衰えも心配になり、土日を挟んだ月曜日に同じ病院に連れて行くと、「扁桃腺が腫れている」との診断。

扁桃腺炎の場合、細菌性だと厄介だということで、抗生剤を出してもらいました。すると、これが効果てき面!! 翌日には熱が下がり始めました(ホッ)。

ちなみに、熱にうなされてうわ言を言ったり、興奮したりすることを「熱せん妄」と言うようです。

南山堂医学大辞典 (第19版)』で調べてみると、

熱せん(譫)妄(英 febrile delirium
 急性高熱性疾患のときに、高熱に伴ってみられるせん妄。腸チフス、肺炎などのとき、とくに小児に多い。原病が治癒すれば、せん妄自体の予後はよい。かつて急性発熱性感染症が多かった時代にはしばしば見られたが、今日では原病の予防、治癒が進んだため、少なくなった。高熱をきたすような激しい外因の中枢神経系への侵襲、高熱時の全身性代謝異常、脱水、苦痛など、複合的な身体的(心理的)因子によって生じた急性外因反応型と考えられる。<p.1904>

ふむふむ、なるほど。やはり高熱に伴って現れる症状のようです。

ついでに、同書の「せん(譫)妄」の項目を見てみると、

せん(譫)妄(英 delirium
 ・・・しばしば幻視、錯視がみられ、実際には実在しない人物や動物が動き回るのが見えたり、壁のしみやカーテンが人に見えたりする。精神運動興奮がみられることが多く、激越agitation、徘徊fugueなどがみられる。思考は錯乱し、会話はまとまりを欠くことが多い。日内変動diurnal variationもしばしば観察され、夜間に症状の悪化をみることが多い。<p.1469>

とあり、息子が壁に向かって指を差したり、水を幻視していたのは「せん妄」だったことが分かりました。「夜間に症状の悪化をみることが多い」というのもその通りでした。

 暗闇の中で子どもが目を見開いて笑っていたときは、一瞬背筋が凍りましたが、症状が特定できて安心しました。。。